郵政造反組の復党騒動で支持率が大幅ダウンした安倍内閣であるが、コイズミ政権以来の「改革イメージ」を維持させるためのスケープゴートとして取り上げたのが、揮発油税を含む道路特定財源を暫定税率維持したままでの一般財源化である。

 しかし現在進行形の「社会資本整備重点計画」が平成19年度まで継続し、その財源の一つとして道路特定財源が法律上担保されている現実を目の前にして、どうやら揮発油税の一般財源化は平成20年度以降に先延べになったようである。

 この件に関してマスゴミの論調は二分化されているようである。

 まずはアカピー新聞

道路財源 安倍改革が試される

 「改革に揺るぎはない」。安倍首相はこのところ、そう力を込める場面が増えた。その言葉が本物かどうか、最初の試金石である。

 道路建設に使途を限ったいわゆる道路特定財源を、何にでも使える一般財源にする問題をめぐって、首相と与党との調整が大詰めを迎えている。

 焦点はガソリン(揮発油)税の扱いだ。約3兆円にのぼり、国税分の8割を占める。財政難の折、道路ばかりに財源を振り向けるわけにはいかないという考え方はもっともだ。一般財源にしたうえで、必要な道路の建設や補修はその中でやればいい。

 ところが、それが簡単にはいかない。小泉前首相も就任当初から公約に掲げてきたが、道路族議員や地方自治体、関係する役所、自動車・石油業界などの反発で実現できなかった難題なのだ。

 昨年の郵政選挙で圧勝した勢いを背景に政府・与党は昨年暮れ、一般財源化をめざすことでは合意したものの、具体化は安倍政権への「宿題」となっていた。

 その意味で首相が先月末、「必要のない道路を二度と造らないよう、国民のための改革を行わなければならない」と、改めて一般財源化への決意を語ったのは当然のことだ。骨抜きを許さず、明確な結論を出さねばならない。

 構造改革をさらに前へ進めるか。それとも、族議員らと妥協する「古い自民党」へと時計の針を戻すのか。政治姿勢が問われている。首相には覚悟を決めてことに当たってもらいたい。

 国と地方あわせて5兆8千億円もある道路特定財源は、土建業者とそれを取り巻く政治家や官僚などの利権の温床となってきた。無責任な公共事業が続く元凶でもある。最終的にはすべて一般財源にすべきだ。

 だが、そんな首相の構えに対し、与党内から猛烈な巻き返しが起きている。

 来年の統一地方選、参院選を考えれば「道路を造ってほしいという地方の声は無視できない」と、真っ向から反対する主張が根強い。自動車重量税(約5700億円)の一般財源化だけでお茶を濁せばいいという案もある。

 小泉氏が戦い続けた「抵抗勢力」が、またもや頭をもたげているようにも見える。総選挙にうって出てまで郵政民営化に突き進んだ小泉氏と比べ、安倍首相は「くみしやすし」と軽く見られているのではないか。

 折も折、郵政造反議員11人の復党で、安倍自民党の改革姿勢に疑問符が突きつけられたばかりだ。ここで首相が再び党内の抵抗勢力に押し切られ、あいまいな妥協を受け入れれば、世論の視線はより冷たさを増すに違いない。

 今後、首相がどんな改革に手を付けようとしても、世論の支持を得るのは難しくなる。

 妥協を排して、一般財源化への道筋を明確に指し示す。首相は持ち前の頑固さを発揮し、その所信を貫くべきだ。


--------------------以上引用-------------------

 この「持てる者の驕り」、「議論の矮小化」が垣間見える全国紙の論調(これは全国ネットのTV報道も同じ)に対し、コイズミ改革以降疲弊が進む地方の論調は全く異なる。

道路財源一般化 税率下げや課税廃止こそ

 道路関連事業に充てられている道路特定財源について、使途を限定しない「一般財源」とする方針を安倍晋三首相があらためて明言した。政府税制調査会も一般財源化への具体案を打ち出すよう首相に求めた。しかし、一般財源化には疑問が大きい。

 道路特定財源は、揮発油税や自動車重量税などの国税と、軽油引取税や自動車取得税などの地方税がある。二〇〇六年度予算では国税が約三兆五千億円、地方税が約二兆二千億円に上る。

 政府・与党内には、一般財源化は法改正の必要のない自動車重量税(約五千七百億円)にとどめる案も出ていた。しかし、安倍首相は国税分の約八割を占める揮発油税(約二兆九千億円)を含めて一般財源化する方針を示した。

 道路特定財源は、道路整備の遅れを理由に徴収されてきた。一般財源化して道路関連以外に使えば、納税者の不信を招く恐れが強い。しかも、整備を急ぐために法律の規定よりも二倍前後高く設定している暫定税率を維持したまま一般財源化するというから、余計に矛盾が出る。

 一般財源化を図るのは、「道路は既にかなり満たされている。豊富な特定財源があるために無駄な道路建設が進む」といった理由だ。だが道路整備が十分ならば、税率を下げるか課税をやめるのが筋であろう。

 一般財源化を進めることが「安倍政権の改革の試金石」などとする意見がある。しかし、改革を演出することが目的となっては困る。

 まず優先すべきは、どんな道路の整備が社会から求められ、そのためにどう負担していくかといった道路行政の議論であろう。こうした議論なしに一般財源化しても、無駄な道路整備を止めることにはつながらない。

 日本の高速道路の通行料金は世界でも異例の高さだ。流通の高コスト構造の大きな要因となっている。トラックなどが並行する無料の一般道に押し寄せ、混雑を解消するためにさらに道路整備が進められる二重投資も現実に行われている。

 道路特定財源を通行料金値下げのための原資に充てれば、こうした問題の緩和に役立つ。また、地球温暖化防止のための排ガスなどの環境対策も重要だ。社会の要請に応える使い方こそが、真の改革といえるのではないか。

 道路特定財源の一般財源化よりも、使途を拡大して道路関連の有効利用を図る方が、税制としての筋も通り、適切であろう。現在の一般財源化の議論は乱暴すぎる。もっと精緻(せいち)な検討が必要だ。

--------------------以上引用-------------------

 σ(^^)個人の考えを述べるなら、もし本当に道路整備が十分であるのなら、暫定税率だけは少なくとも一旦廃止するのが筋と言うものではないのか!

 只でさえ自動車ユーザーは、購入時の自動車取得税、重量税、消費税、車検時毎の重量税、毎年請求される自動車税給油時に至っては揮発油税に消費税まで掛け合わせて支払っており負担はあまりにも過大である。
 更に「緊急的な道路整備」の目的で法律の本則に上乗せさせて支払っている揮発油税や重量税を「道路整備はもはや必要ない。しかし税率そのままで税金だけは支払え!」というのはあまりにも財務省や東京の論理は横暴に過ぎる。
 地方の一ユーザーとして言いたい「いい加減にしろや(#゜Д゜)ゴルア!」

 ところで、アカピーがほざく「必要のない道路を二度と造らない」というのは確かに正論である。道路をネットワークとして考え、プライオリティの低い道路について見直すのは当然である。
 但しこのレトリックには大きな落とし穴が潜んでいる。それは「どんなインフラもいつかは必ず壊れる」という摂理である。つまりメンテナンスがしなければ機械が故障すると同じで、橋梁やトンネルなどの道路構造物も長く使おうと考えるのであれば、当然メンテナンス(維持修繕)が必要である。中には更新=造り直す必要がある構造物もあろう!それには当然費用もかかるのだが、その費用も道路特定財源で賄っているのである。

 現に維持修繕を疎かにしたアメリカでは、1930年代のニューディル政策によって建設された道路施設が荒廃し、1970年代後半には橋梁が落橋するなど国全体の経済活動に大きなマイナスが発生した。所謂「荒廃するアメリカ」と呼ばれた現象である。

荒廃するアメリカ


 そのためアメリカは1983年にガソリンヘの連邦課税を一挙に2.25倍に引き上げてガロン9セントとし、道路への充当を従前のガロン4セントから、倍の8セントとし道路財源を一挙に倍増し、欠陥道路・欠陥橋梁を改善する努力を行った。
 その結果、1981年に全橋梁の45%が欠陥とされていたものが、約10年後の1992年には35%にまで改善が図られた。
 さらに道路財源について言えば、その後1997年には1ガロン15.44セントと一貫して連邦政府の道路への支出は増加させてきた。

 一方、我が國に於いても高度経済成長時代、大量に建設された橋梁などが一気に老朽化し始めている。ここでメンテナンスを怠れば一体どうなるか!即ちアメリカの二の舞である! 
 さらに国鉄分割民営化により全国の鉄路は寸断されており日本全国を有機的に結ぶネットワークは道路のみである。将来必ず襲来するであろう大地震に対してどう備えるというのか!

 またシナにおいては日本を遙かに上回るペースで社会資本が整備されており、激烈を極める国際競争を生き抜く上で、その基礎となる社会資本整備を怠って、どうやってシナと対抗していくのか!

 これら冷徹な現実を目の前にして、「構造改革」とか称して一内閣の人気取り政策のために國家民族の百年の大計を誤るのは愚の骨頂である!
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2006.12.06 Wed l 政治 l コメント (0) トラックバック (6) l top

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